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「酒井宏樹だから」と言われる仕事がしたかった。JPモルガンというブランドを捨て、完全歩合の世界に挑戦した理由。

阪大卒・JPモルガン出身のプルデンシャル生命の営業マン。

その経歴だけ聞けば、どんな切れ者のエリートがや

ってくるのかとほんの少し身構えた。

だが、目の前に現れたその男は相手を

圧倒させるような雰囲気は微塵も感じさせない、

よく笑う人情家だった。酒井宏樹、29歳。

転職して1年半が過ぎたが、驚くべきことに彼はまだ一度も

お客様から解約を受けたことがないと言う。

継続率100%。その数字の裏には、

彼らしい営業マンとしてのポリシーがあった。

 酒井  宏樹/ SAKAI HIROKI

1988年1月生まれ。大阪府出身。大学卒業後、JPモルガンに新卒入社。16年、プルデンシャル生命保険株式会社に転職。

自分はこんなことがしたかったのだろうか。エリート街道をひた走る男に芽生えたかすかな違和感。

営業マンにとって最もわかりやすい指標は、売上だ。売上が上がれば社内の評価も高まるし、自信にもなる。だが、酒井氏には、目標必達の重要性は重々承知した上で、それ以上に自分を燃やしてくれるものがあると言う。それが、人から頼りにされることだ。

「他の誰でもなく『僕だから』と言ってもらえることが一番の喜び。そんなふうに頼ってもらえた瞬間に何よりもやりがいを感じます」

その原体験は、大学生のとき。高校時代に通っていた予備校でアルバイトを始めた。高校生の頃から、生徒たちに頼られる大学生アルバイトの姿を見て、自分も大学生になったら絶対にこの仕事をするんだと心に誓っていた。一浪の末、大阪大学を目指したのも、「国立大生」という肩書が学生バイトの絶対条件だったからだ。

「バイト時代は、自分がシフトに入っていない日でも、時間を見つけては予備校に行ってました。勉強のこととか進路のこととか、自分を頼ってくれる生徒がいるのがただただ嬉しくて。他の学生バイトも手が空いているのに、こぞって僕を指名して相談に来てくれる。そんな光景も当時は珍しくありませんでした」

もともと目立つタイプの人間ではなかったと言う。だからだろうか、とにかく人から慕われることにだけは人一倍執着が強かった。大学卒業後は、世界最大級の金融機関であるJPモルガンに入社。そこで酒井氏は外国債券の商品部に配属された。まさに誰もが羨むエリート街道。だが、その実、胸中は決して満たされることはなかったと言う。

「最初の1年間は楽しかったですよ。名刺を出したらみんなすごいと言ってくれるし、オフィスから見渡す東京の景色も気持ち良かった。収入だって他の同級生と比べたら良い方だったと思います。でも2年目に入ったくらいから徐々に感じはじめるわけです、自分はこんなことがしたかったのだろうかって」

取引先は、誰もが知っている大企業ばかり。扱う金額も、破格のスケールだ。それに充足感を覚えないわけではない。だが一方で、本当にこれは自分でなければできない仕事なのか。絶えず疑問がつきまとった。そんな折、酒井氏の人生を大きく変える出会いが訪れた。

将来は安泰だが心は満たされない道か。リスクだらけだが望みが叶う道か。答えはもう決まっていた。

「大学の先輩が、今の会社で営業所長に昇格して、そのタイミングで僕に引き抜きの声をかけてくれたんです。実は、ヘッドハンティングを受けるのは、そのときが3度目。プルデンシャル生命という世界に興味はあったけど、完全歩合という制度に恐怖心があって、ずっと踏みとどまっていたんです。でもその先輩の話を聞いて、純粋にやってみたいと思いました」

だが、そんな酒井氏の決断に多くの者が反対した。と言うよりも、彼から相談を受けて賛同を示してくれた人はひとりもいなかった。それほどJPモルガンという大看板を捨て、現職に就くことは、無謀な選択だったのだ。しかし、酒井氏は反対を振り切り、転職を決めた。彼を動かしたのは、男としての忠実な本能だ。

「イメージしてみたんです、10年後の自分の姿を。JPモルガンに居続ければ、生活は保障されているけど、心は満たされていない可能性があった。一方、転職したとしても成功するかは誰にもわからない。ただ、今以上に『酒井宏樹だから』できる仕事が広がるのは確実だった。果たしてどちらの方が自分は幸せか。答えは、後者でした」

保障されたエリートの道を捨て、一か八かチャレンジャーとしての人生を選ぶ。一大決心でスタートした第二のキャリアは、1年目から業績好調。営業成績は支社でもトップクラス。2年目も好調を維持し、保険営業マンにとって憧れの称号であるMDRTの厳しい資格基準を達成し、入会を果たした。だが、そんな目先の栄光以上に酒井氏の心を満たすものがある。それは、「酒井宏樹だから」できる仕事をやれているという充足感だ。

「僕のお客さんは『会社と契約をするのではなく、酒井宏樹と契約をしているんだ』と言ってくれる人ばかり。中には僕の前で堂々と社名を間違える人もいるくらいです(笑)。でも、僕のことはちゃんと覚えてくれている。それは、ずっと自分というブランドで仕事がしたかった僕にとって何よりの勲章でした」

継続率100%。その秘訣は、お客様が納得するまで絶対契約しないこと。

会社ではなく、個人名で勝負する。言葉にすると簡単だが、それを実践するのは難しい。なぜ酒井氏はそれだけ多くの顧客に慕われているのだろうか。

「ひとつは正直だからと言うのはあるかもしれません。お客様に対して嘘は絶対つかない。そのぶっちゃけ感が信頼につながっているのかな、と」

売ることだけを考えれば、時には都合のいいように情報を取捨選択するのも営業のテクニックだ。だが、酒井氏はそんなことは一切しない。いつだってお客様とは真っ向勝負だ。

「なぜなら僕らは保険の販売員ではなく、担当者だから。営業として会うのは、ほんの数回程度。それ以降は専属担当者として生涯お客様をサポートしていかなければいけない。長いお付き合いになるからこそ、嘘は禁物。売ることを最優先にするのではなく、ずっと継続的にお付き合いできるかを何より大事にしたいと思っています」

継続率100%という驚きの数字は、そんな誠実さの賜物だろう。

「だからお客様が納得するまでは絶対に契約はしない、と決めています。営業のセオリーで言えば、検討期間が長引けば長引くほど確度は下がる。だから、早めにクロージングするのが鉄則です。でも、僕はそんな営業の常識より、お客様の納得感を大事にしたい。たとえ契約に至らなくても、僕と出会ったことに満足していただけることが、営業マンとしての価値だと思っています」

その姿勢が共感を呼んでいるのだろう。酒井氏のもとには、顧客から保険以外の相談も舞い込む。資産運用のコツから、合コンのセッティング依頼まで。硬軟様々な相談事に、酒井氏は全力で応えている。その姿は、学生時代の予備校バイトと何も変わらない。人に頼られることが、酒井氏にとって最大の活力源なのだ。

「時には親にも言えないような相談を持ちかけられることもある。そんなときほど気持ちが上がりますね。大変なことはいっぱいあるけれど、転職して良かったなって、今は素直にそう思っています」

今後、積極的に取り組みたいことは、フリーランスの人たちに自分のサービスを拡充していくこと。生産性だけを考えれば、いわゆる一流企業のサラリーマンを狙った方が効率的だ。だが、そんな目先のことに拘泥するつもりはない。自分がこの仕事を選んだのは、人の力になりたいから。立場上、経済的準備が薄く、自助努力が求められるフリーランス層に適切なプランが提案できれば、必ず彼らの役に立てると信じている。

「あなただから」と言ってもらえる仕事がしたい。その信念にひたすら忠実に、酒井宏樹はひとりひとりの顧客と向き合っていく。

<原稿:2018年5月更新>

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